子供のうつ病について 責任感の強い子に多いそうです。

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疲れる事無く元気に遊びまわったり友達といつまでもおしゃべりしたり…それが子供の姿だと親は信じています。ところが、中学生の6%くらいにうつ病が生じているとの調査結果があります。中学3年生のI君は、高校入試の模擬テストを2週間後に控え、元気がありません。母親が朝ごはんを用意しても、「お腹が痛い」「食欲がない」と訴え、食べずに学校に向かいます。

帰宅しても、疲れたからと試験勉強に取り組まず布団にもぐり込みます。模擬テストばかりか高校入試への自信も失っており、父親が声をかけると「無能な自分には生きていく価値がない」と悲観的な言葉を口にしました。
I君は、責任感が強く、真面目な性格で、夏休み前まで生徒会長を務めていたくらいの優等生です。びっくりした両親は、児童精神科を探し、I君を連れて行きました。

児童精神科医が語りかけても、I君は、寂しそうな表情をするだけで声が出ません。血液検査をしても心身の不調を招く原因は見当たりません。問いかけにうなずいてもらうことで、医師は、I君に不眠や食欲不振、興味・関心の低下があることが分かりました。
 医師は「うつ病が疑われます」と本人や両親に告げて、休養をすすめると共に、うつ状態に応じた薬(最少量の三環系抗うつ薬等)を処方しました。両親には「励ましは息子さんを追い詰めるだけです。ゆっくりと回復を待ち受けましょう」と伝えました。

I君は生徒会長を務めている間、その頑張りとリーダーシップが、先生だけでなく生徒からも認められ、高く評価されていました。ところが任期が終わると自分の存在価値がなくなったと思い込み、鬱病になってしまったのです。児童精神科の医師は、「他人の期待でなく、自分の持ち味や能力を生かす道を見つけて歩んでいこう」と助言しました。間もなくI君は元気を取り戻し、模擬テストに臨むことが出来ました。
大人と違い、子供の鬱病は1~2週間と短いのが一般的です。しかし、「時間がたてば元気になるだろう」と、根本的な原因を解決しないまま放っておくと、良くなっても鬱病を繰り返すことになります。I君は、今でも医師にアドバイスされたことを心がけています。もうひどく落ち込むこともなくなりました。
   駿河台日本大学病院精神神経科教授
  ●執筆 渡辺 登先生 の心の病気についてのお話
   主な著書に『くよくよしない100のコツ』『いつまでも「明晰な脳」を保つ週間術』 などがあります。
受験シーズンまっただ中ですが、この壁を越えて欲しいですね。渡辺先生の著書を参考に心の病気を乗り越えましょう。


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